Review Article
肝疾患:NAFLDの発症機構と治療戦略
Nature Medicine 24, 7 doi: 10.1038/s41591-018-0104-9
非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の患者数は、糖尿病とメタボリックシンドロームの有病数の世界的拡大と並行して増加してきた。NAFLDは、非アルコール性脂肪肝(NAFL)から非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)へ至る間の肝異常を指していて、さまざまな経過をたどるが、肝硬変や肝がんにつながることがある。本総説では、NAFLDの病因に関する特徴と臨床的特徴、主な共存症、臨床での進行と合併症のリスク、および治療標的を改良して薬剤開発を加速すると考えられるNAFLDのin vitroモデルと動物モデルについて概説する。また、薬効評価のための臨床試験設計の進化しつつある原則、および疾患の進行阻止や症状の回復を目的とする単剤療法や併用療法に用いられる薬剤の開発のための新規な標的についても論じる。