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感染症:ヒトSNORA31の変異は皮質ニューロンのHSV-1に対する内因性免疫を障害し、単純ヘルペス脳炎の基盤となる

Nature Medicine 25, 12 doi: 10.1038/s41591-019-0672-3

単純ヘルペスウイルス1(HSV-1)脳炎(HSE)は、一般的には散発性である。中枢神経系のTLR3およびDBR1を介した細胞内因性免疫の先天異常はそれぞれ、前脳および脳幹のHSEの原因となることがある。本論文では、SNORA31の4つの希少バリアントの1つがヘテロ接合で、血縁関係のない5人の前脳HSE患者について報告する。SNORA31はH/ACAクラスの核小体内低分子RNAをコードしていて、このようなRNAは核内低分子RNAとリボソームRNAのウリジン残基のシュードウリジンへの異性化を指令すると予測されている。CRISPR/Cas9によって導入したSNORA31の両対立遺伝子および単一対立遺伝子の欠損が、ヒト多能性幹細胞(hPSC)由来皮質ニューロンをHSV-1に対して感受性にすることが分かった。すなわち、SNORA31に変異が生じている患者のhPSC由来皮質ニューロンは、TLR3もしくはSTAT1欠損患者の皮質ニューロンと同じく、HSV-1に対して感受性である。外来性のインターフェロン(IFN)βは、SNORA31およびTLR3に変異が生じたニューロンをHSV-1抵抗性にするが、STAT1に変異が生じたニューロンは抵抗性にならない。また、SNORA31変異ニューロンのトランスクリプトーム解析から、TLR3およびIFNα/β刺激に対しては正常な応答が見られるが、HSV-1に対しては異常な応答を示すことが明らかになった。したがって、SNORA31は、HSV-1に対する中枢神経系内因性免疫を独特の機序によって制御していることが分かった。

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