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がん治療:ニボルマブを使うネオアジュバント療法は切除可能なグリオブラストーマで腫瘍免疫微小環境を修飾する

Nature Medicine 25, 3 doi: 10.1038/s41591-018-0339-5

グリオブラストーマは最もよく見られる中枢神経系の悪性腫瘍で、予後不良である。標準的な第一選択療法は、外科手術とその後のアジュバント放射線・化学療法などだが、生存率の向上にはあまり効果がない。今回我々は、グリオブラストーマに対する外科手術を受けている患者でのPD-1阻害剤使用の実現可能性、安全性、および免疫生物学的影響を調べるために、単一群第II相臨床試験(NCT02550249)を行った。この試験では、30人の患者(再発でサルベージ手術を行った27症例と新たに診断され初回手術を受けた3症例)で、手術前、さらに手術後に続けて、腫瘍の進行や耐容不可能な毒性が生じるまでニボルマブを投与した。ニボルマブ投与前後およびニボルマブ投与を受けていない追加の患者からの腫瘍組織が入手可能であったため、分子レベルおよび細胞レベルの複数の解析を行って腫瘍免疫微小環境における変化を評価することができた。ニボルマブを使うネオアジュバント療法によって、ケモカイン転写物の発現増強や免疫細胞の盛んな浸潤が引き起こされ、腫瘍浸潤性Tリンパ球のTCRクローンの多様性が増加し、この治療の局所的な免疫修飾効果が裏付けられた。サルベージ手術後には明らかな臨床的効果は立証されなかったが、初回手術の前後にニボルマブの投与を受けた患者3人のうち2人はそれぞれ、33か月後または28か月後にも生存している。

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