Review Article

がん治療:免疫チェックポイント阻害への応答のゲノム関連因子

Nature Medicine 25, 3 doi: 10.1038/s41591-019-0382-x

免疫チェックポイント阻害剤は持続性のある応答という目覚ましい特徴を持つが、大多数のがん患者では長期的に効果が持続しない。チェックポイント阻害に対する応答や耐性に関わるゲノム関連因子が解明されれば、患者の層別化のためのバイオマーカーや、標的治療に対する耐性機構を明らかにすることによって、がん患者にとってこの療法がさらに役立つものとなるだろう。本総説では、ネオアンチゲン、抗原提示、DNA修復やがん化経路に関連するマーカーなど、チェックポイント阻害応答の新しいゲノムマーカーについて概説する。T細胞機能、チェックポイント調節因子、クロマチン修飾因子やコピー数異常が、チェックポイント阻害に対する選択的応答の仲介に役割を担っていることを示す有力な証拠が得られている。また、応答のゲノム関連因子を、腫瘍免疫生物学のより大きな枠組みに当てはめていくことは、チェックポイント阻害に対する耐性を克服するための新規バイオマーカーや治療法開発の基盤を作るだろう。

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