Perspective
プロバイオティクス:プロバイオティクスへの賛成と反対、また解明されていない多くの問題
Nature Medicine 25, 5 doi: 10.1038/s41591-019-0439-x
市販プロバイオティクスが心身の健康目的で摂取される量は、近年、世界的に増加している。だが、プロバイオティクスの使用が一般公衆の間で広く普及しているとはいえ、その菌株や製剤の多くについて得られている臨床結果は相反している。マイクロバイオーム研究から得られた知見によって、プロバイオティクス菌の腸内定着や菌株レベルでの活性、以前から定着しているマイクロバイオームとの相互作用、安全性、宿主への影響が評価可能となり、プロバイオティクスを生理学的影響や、有用と思われる医療適用と関連付けられるようになってきた。本稿では、市販されているプロバイオティクス製品に関する膨大なデータの不偏的解釈を目標とした研究での重要な進歩や、難問、制約を取り上げ、プロバイオティクスの使用に関する実験的証拠の質や透明性、一般の理解や使用規制の改善を進める方法について提言する。