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がんを狙い撃つ方法はいくらでもあるが……

Nature Medicine 25, 8 doi: 10.1038/d41591-019-00016-7

複数の生化学的標的を攻撃する抗腫瘍薬は、より有効な抗がん剤の開発につながる可能性があり、この分野では、激しい競争が繰り広げられている。腫瘍細胞表面にある複数の特異的標的と相互作用する「多重薬理(polypharmacology)」的性質を備えた新しい薬剤は、研究者たちが見落とすことが多い薬剤の多面的挙動を利用している。一方、がんに関連することがすでに知られている経路に注目して、複数の経路に影響を与える分子を探索している研究チームも多いし、2種類の経路を介して複数種のがんを攻撃する薬剤を設計することも試みられている。このような複数の標的をもつ薬剤を設計する際の難問は標的候補について、その複雑な相互作用など、十分な知識を得ることである。つまり、標的が見つかればまずそれに結合する化合物のスクリーニングを行うのだが、その際には生物学、化学、ゲノミクス、構造生物学のデータや情報を総動員して組み合わせ、機械学習で解析し、副作用の少ない抗がん剤を予測しなくてはいけない。こうした手間のかかる研究を効率よく進める手段の開発も着々と進められている。

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