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ツイッターはどのように医学研究を変えるのか
Nature Medicine 26, 1 doi: 10.1038/s41591-019-0697-7
Twitterができる前、研究者たちが自分の専門領域の新しい研究に対して意見を述べたり、批判したりする方法は少なく、エディターに手紙を書くとか、その掲載ジャーナルに意見記事を投稿するくらいだった。そして、こうした意見が掲載されるかどうかはエディターの判断次第であり、掲載されても数週間後になることが多かった。自分で実験をして論文として発表するのにも、同じような手順と時間がかかった。ブログに発表するという方法もあったが、それを大勢に見てもらうのはなかなか難しかったのである。だが、Twitterならばこのような障害を簡単に回避でき、新しい論文について、発表されたその日のうちに公然と議論できる。
というわけで、医学/生物学分野でもTwitterの利用者の数は増える一方であり、2017年のPLoS Oneの調査によればアカウントを持つ研究者は4万5000人以上となった。Twitterでのフィードバックは、直接に話し合う場合や公開の討論よりずっと辛辣だったり、批判的だったりすることがあり、場合によっては「論文の周りにサメがうようよしている」といった感じにもなるが、そういうことも研究の質の向上に役立つ可能性がある。Twitterはすでに、研究結果を広く共有し、多様な考え方を知り、それについて議論をする方法を根本から変える、極めて重要なコミュニケーション手段となっている。だが、こうした新しい手段にありがちなもめ事や被害が増えていることも事実で、個人から研究機関まで、あらゆるレベルの関係者がこのソーシャルメディアを学界に組み込む最良の方法を見いだそうと四苦八苦している。