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がん治療:シスプラチン不適格で手術可能な高リスク尿路上皮がん患者でのPD-L1とCTLA-4を併用するネオアジュバント遮断

Nature Medicine 26, 12 doi: 10.1038/s41591-020-1086-y

免疫チェックポイント療法は、局所性尿路上皮がん患者に対してネオアジュバント療法での使用が試験されており、1つの研究では抗PD-L1単剤療法を受けたシスプラチン不適格患者でのデータが報告されている。それによると、巨大腫瘍(既知の高リスク特性であり、臨床的T2病変よりも大きいと規定される)を持つ患者では、奏効が見られることが少なく、病理学的な完全奏効率は17%だった。今回我々は、シスプラチン不適格患者(いずれの腫瘍も高リスク特性を持つことが明らかにされている;n = 28)で、抗PD-L1抗体(デュルバルマブ)と抗CTLA-4抗体(トレメリムマブ)を併用した、最初のパイロット併用ネオアジュバント試験(NCT02812420)について報告する。高リスク特性は、巨大腫瘍、組織学的なばらつき、リンパ管浸潤、水腎症および/または高悪性度の上部尿路病変により定義付けられた。主要評価項目は安全性とし、28人の患者のうち6人(21%)でグレード3以上の免疫関連有害事象[無症候性の検査所見異常(n = 4)と肝炎および大腸炎(n = 2)]が観察された。また、手術を完了した患者(n = 24)では、37.5%で病理学的な完全奏効が見られ、58%で腫瘍ステージのpT1以下への低下が見られた。まとめると、今回の研究によってネオアジュバントとしての抗PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体の併用療法に関する安全性、奏効性、バイオマーカーの最初のデータが得られた。この結果は、局所性尿路上皮がん患者(特にネオアジュバント療法の標準治療がまだ確立されていない、高リスク特性を備えたシスプラチン不適格患者)に対する、この療法のさらなる開発を行う根拠を提供する。

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