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肺移植:損傷を受けたヒト肺の体外式回復のための異種間交差循環

Nature Medicine 26, 7 doi: 10.1038/s41591-020-0971-8

肺移植を待つ患者は、順番待ちリストの高い死亡率に直面することになるが、それはドナー肺のほとんどが損傷によって使用できなくなるからである。体外肺灌流(ex vivo lung perfusion;EVLP)は、移植適応限界近くの品質のドナー肺を回復させることができるが、正常体温での維持の6時間を超える延長は困難である。本論文では、EVLPで回復できなかった肺などの、急性損傷を受けて機能が低下し、移植には不適当となったヒト肺が、ヒト外植肺とヨークシャーブタの間の全血交差循環によって回復可能であることを示す。この異種間プラットフォームは、ヒト外植肺に機能を支える生理的環境を提供して全身的調節を行い、その結果として、正常体温での24時間の維持の後に機能および組織の回復が起こった。今回の知見は、交差循環が、臨床的EVLPを補完して移植に利用できなかった損傷ドナー肺を回復させる手段となり、また免疫調節や高度な臓器生体工学のためのトランスレーショナル研究のプラットフォームにもなることを示唆している。

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