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リウマチ:滑膜組織マクロファージの異なるサブセットが関節リウマチの炎症と寛解を調節する

Nature Medicine 26, 8 doi: 10.1038/s41591-020-0939-8

関節リウマチ(RA)での薬剤不要寛解の免疫調節機構は知られていない。我々は、寛解の際に残存する滑膜組織マクロファージ(STM)が、関節の恒常性に関与しているのではないかと考えた。そして、単一細胞トランスクリプトミクスによって3万2000個のSTMのプロファイリングを行い、初期の活動期RA、難治性の活動期RA、および寛解が持続しているRAの患者での表現型変化を特定した。それぞれの臨床状態は、多様な恒常性機能、調節機能、炎症機能を持つ4つの異なるSTM亜集団内に見られる、9つの独立した表現型群の存在頻度の違いにより特徴付けられた。この細胞アトラスと、蛍光活性化セルソーティングにより選別した滑膜生検STMの表現型、空間的、機能的な高深度解析を組み合わせて、2つのSTM亜集団(MerTKposTREM2highおよびMerTKposLYVE1pos)が明らかになり、これらが炎症の負の調節因子を多く含む、独特な寛解トランスクリプトームシグネチャーを持つことが分かった。これらのSTMは、炎症消散性脂質メディエーターの強力な産生源であり、in vitroで滑膜繊維芽細胞の修復応答を誘導した。寛解中にMerTKposSTMの割合が低いことは、治療中断後の疾患再発リスクの上昇と関連していた。従って、MerTKposSTM亜集団の治療による調整は、RAの治療戦略候補になる可能性がある。

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