Brief Communication

COVID-19:SARS-CoV-2に対する免疫グロブリンMおよびG抗体に基づく中国での血清学的有病率

Nature Medicine 26, 8 doi: 10.1038/s41591-020-0949-6

新型ヒトコロナウイルスSARS-CoV-2への無症候性、すなわち不顕性の感染の検出は、COVID-19の全体的な罹患率や感染力を理解するために重要である。中国でのSARS-CoV-2感染の累積罹患率を推定するために、我々は2020年3月9日から4月10日までの期間に、中国でのCOVID-19流行の発生地である武漢市および中国内の複数の地域の1万7368名について、宿主の血清学的応答を免疫グロブリンMおよびGのレベルによって測定し、評価した。我々のコホートでは、武漢での血清抗体陽性率はさまざまなサブコホートで3.2~3.8%の間で変動していた。他の都市での血清抗体陽性率は、発生中心からの距離が増すにつれて徐々に低下した。維持血液透析のために病院に行った患者は3.3%〔1542人中51人、95%信頼区間(CI)は2.5~4.3%〕、医療従事者は1.8%(4384人中81人、95%CIは1.5~2.3%)と、共に血清学的有病率が高めだった。これらの結果が、他の集団や地域に対して一般化できるかどうかを判断し、COVID-19のパンデミック(世界的大流行)の進行とともに血清学的有病率がどのくらいの速度で増加していくのかを明らかにするためには、さらなる研究が必要となる。血清学的調査は、この新規なSARS-CoV-2感染の最初のシーズンについて、より忠実な累積ウイルス罹患率を与える可能性がある。

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