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COVID-19/マラリア:COVID-19がアフリカのマラリアに及ぼすと思われる公衆衛生上の影響

Nature Medicine 26, 9 doi: 10.1038/s41591-020-1025-y

マラリアの疾病負荷は、サハラ以南のアフリカ(SSA)で特に大きくなっている。また、この地域では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関連する症例や死亡も増加中である。COVID-19に対応するため、各国は重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の伝播削減を目的とした社会的対策を実施している。だが、こうした施策にもかかわらず、地域の医療が崩壊しつつあるために、COVID-19のこの地域での大流行は数百万人の死亡をもたらす可能性がある。今世紀のマラリア制圧における進歩は、おおむね長期残効型殺虫剤含有蚊帳(LLIN)の配布によるものであり、多くのSSA諸国は2020年にこのキャンペーンを計画していた。本研究では、COVID-19およびマラリアの伝播モデルを用いて、COVID-19流行の4つの異なるシナリオの下でマラリア予防活動などの中心となる医療サービスが崩壊したときの影響を推定した。このような活動が中断されると、2020年のマラリア負荷は2019年の2倍以上になる可能性がある。ナイジェリアだけでも、6か月間にわたる症例管理の縮小とLLINキャンペーンの遅延により、死者が8万1000人(4万4000~11万9000人)増える可能性がある。このような負の影響を軽減することは可能であり、マラリアのかなりの規模の流行を防ぐためには、抗マラリア治療を利用可能にするとともに、LLINの配布を特に優先して行うべきであろう。

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