Perspective

COVID-19:新規病原体によるエピデミックの際のナウキャスティング─COVID-19からの教訓

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01278-w

エピデミックのナウキャスティング(nowcasting;実況把握)はおおむね、進行中のアウトブレイク(集団発生)の手掛かりとなる病原性、疫学的特徴、臨床的特徴、社会行動学的特徴の理解による現状評価に相当する。その主要な目的は、状況認識を提示し、制御対策を決定するための情報を示すことである。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック(世界的大流行)のような大規模で持続する緊急事態の場合、科学者は政策決定のためのリアルタイムの根拠をまとめるために、急速に出現する新たな疑問やデータ、知見に関して、その狙いと分析結果を常に更新し続けなければならない。本稿では、進行中のCOVID-19の経験を用いて、エピデミックのさまざまな段階でのナウキャスティングの機能目標、論理的根拠、データ必要条件、難問についての我々の見方を伝える。また我々は、計算科学や実験科学における最近の進展をどのように使用すれば、従来の手法を補完でき、エピデミックの際のナウキャスティングの範囲、適時性、信頼性、有用性を強化できるのかについても示す。

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