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心臓修復:灌流可能な多機能心外膜装置による心機能と組織修復の改善

Nature Medicine 27, 3 doi: 10.1038/s41591-021-01279-9

心筋梗塞(MI)後の心臓修復技術の進歩にもかかわらず、新しい統合的な治療法はまだ開発されていない。今回我々は、生分解性弾性パッチ(BEP)、透過性の階層的微小流路ネットワーク(PHM)、皮下に埋め込んだポンプから治療薬を送達できるシステムから構成された、灌流可能な多機能心外膜装置(PerMed)を設計した。BEPは心外膜に移植した後に、心室を再構築するための機械的合図を送るように設計されており、PHMは血管形成を促し、修復細胞が侵入できるように設計されている。MIのラットモデルでは、PerMedの移植によって心室機能が改善された。PerMedをポンプに接続すると、血小板由来増殖因子BBの決められた標的への持続的で安定した放出が可能となり、ポンプなしの装置と比べて心臓修復の効率が高まった。我々はまた、ブタで侵襲性を最小にしたPerMedの外科的移植が実現可能であることを実証し、PerMedが心臓病治療のための臨床応用に有望であることが明らかになった。

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