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人工知能:人工知能を用いた薬剤自己投与の評価
Nature Medicine 27, 4 doi: 10.1038/s41591-021-01273-1
薬剤自己投与(MSA)での間違いは、治療遵守の不良、入院の増加、医療コストの増加につながる。このような間違いは、薬剤投与に吸入器やインスリンペンなどの装置を用いる場合に特によく見られる。我々は、物理的な接触を必要とせずに患者自宅の無線シグナルの解析によってMSAでの間違いの検出と監視ができる、非接触型で邪魔にならない人工知能(AI)の枠組みを示す。この系は、ボランティアが行う自己投与を観察することで開発され、その予測を人間によるアノテーションと比較することで評価した。この研究で得られた知見によって、我々の手法は患者が自分用の吸入器[曲線下面積(AUC)= 0.992]あるいはインスリンペン(AUC = 0.967)を使用するのを自動的に検出でき、患者がこれらの装置を使用する際に適切な手順に従っているかどうかを評価できる(AUC = 0.952)ことが実証された。この研究は、AIを導入した解決策を活用することで、患者や医療専門家のための諸経費を最小限に抑えながら、投薬の安全性を向上させられる可能性を明らかにしている。