CODIV-19:COVID-19に対する植物由来ウイルス様粒子ワクチンの第1相無作為化試験
Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01370-1
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に対する複数のワクチンが開発中だが、世界的な需要は供給を大幅に上回っており、また、特定の集団ごとにそれぞれ異なる処方が必要となる可能性がある。本論文では、植物で産生され、SARS-CoV-2スパイク糖タンパク質を提示するウイルス様粒子ワクチン候補(CoVLP)についての観察者盲検用量漸増無作為化対照試験(NCT04450004)の42日目の中間解析での安全性と免疫原性のデータを報告する。複数の主要評価項目は、中和抗体(NAb)と細胞応答によって評価されたCoVLP処方の短期での耐容性/安全性と免疫原性であった。進行中のこの研究の副次評価項目には、ワクチン接種後12か月までの安全性と免疫原性の評価が含まれている。カナダケベック州の2か所で、成人(18~55歳、n = 180)を無作為化により、CoVLP(3.75 μg、7.5 μg、15 μg)単独投与群、あるいはAS03またはCpG1018のアジュバンド添加群に割り付け、21日の間隔を開けて2回の筋肉内投与を行った。全ての処方で耐容性は良好であり、ワクチン接種後の有害事象は一般的に軽度から中等度で、一過性であり、アジュバント添加群で最も高かった。血清NAbに及ぼすCoVLPの用量効果はなかったが、力価は両方のアジュバント添加群で有意に上昇した。2回目の投与後、CoVLP+AS03群のNAbは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)回復期の血清の力価の10倍を超えた。スパイクタンパク質特異的なインターフェロンγとインターロイキン4の両方の細胞応答も誘導された。この事前に指定された中間解析は、CoVLPワクチン候補のさらなる評価の継続を支持するものである。