Review Article

神経変性疾患:神経変性疾患のバイオマーカー

Nature Medicine 27, 6 doi: 10.1038/s41591-021-01382-x

神経変性疾患のバイオマーカーは、病院での診断用精密検査を改善するためだけでなく、効果的な疾患修飾治療法の開発と監視を促進するためにも必要である。アルツハイマー病でのアミロイドβやタウ病変の検出を行う陽電子放射断層撮影法(PET)は、臨床試験や観察研究の設計を改善する際に使われることが多くなっている。最近では、同じようなアルツハイマー病病変を検出するための、使いやすくて費用効果の高い血液ベースのバイオマーカーが開発されてきており、アルツハイマー病の診断用精密検査に世界的に変革をもたらすと考えられている。また、パーキンソン病でのαシヌクレイン病変に関連するバイオマーカーや、一般的な神経変性疾患やグリア細胞活性化のための血液ベースのマーカーも登場している。本稿では、神経変性疾患に対するバイオマーカーの分野での最近の進展の概要を示す。また、臨床現場や臨床試験での新規バイオマーカーの実用化に関して、今後進むべき方向についても論じる。

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