Perspective

がん治療:非小細胞肺がんの個別化治療による取り組みに向けて

Nature Medicine 27, 8 doi: 10.1038/s41591-021-01450-2

肺がんは、がん関連死の世界的に最もよく見られる原因である。非小細胞肺がん(NSCLC)に対する分子標的療法と免疫療法は、この20年間にわたって転帰を著しく改善してきた。しかし、進行性NSCLCの大部分は現在使われている治療法に抵抗性を示すようになり、最終的には進行する。本稿では、最近NSCLCのために開発された画期的な治療法、特に免疫療法と標的療法を中心に論じていく。まず、抵抗性の機構に関して現在分かっていることをはっきりさせた上で、さらに解明を進めるためにはゲノム解析の臨床研究への組み込みが重要であることを示す。また、早期の肺がんの治癒を可能にするために、ネオアジュバント療法と維持療法を組み合わせた治療法が将来担うであろう役割を明らかにする。合理的な併用療法の開発を成功させる際に難問となるのは、患者の層別化をはっきりしたものにするための、ロバストな予測バイオマーカーの使用だと考えられる。また、今後の10年間でNSCLCをどのように管理していくかに影響すると思われる臨床研究分野についての見解も示す。

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