COVID-19:ソーシャルメディアによる大規模な広告キャンペーンが休日の旅行とCOVID-19感染に及ぼす効果:クラスター無作為化比較試験
Nature Medicine 27, 9 doi: 10.1038/s41591-021-01487-3
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のエピデミック(大流行)の間に、多くの医療従事者がソーシャルメディアを使って予防的な健康行動を促した。我々は、感謝祭とクリスマスの休暇中に外出自粛をユーザーに促すために医師や看護師によって録画された短時間のビデオからなるフェイスブックの広告キャンペーンの効果について、無作為化比較試験を実施した(NCT04644328とAEARCTR-0006821)。我々はまず、郡をhigh intensity群(感謝祭では410郡、クリスマスでは386郡)とlow intensity群(感謝祭では410郡、クリスマスでは381郡)に無作為に割り当てた。high intensity郡では無作為に割り当てられた郵便番号の75%に、low intensity郡では25%に含まれるフェイスブック加入者の大部分へこの介入(ビデオ)が配信された。合わせると、感謝祭では6998、クリスマスでは6716の郵便番号が含まれていて、感謝祭では1195万4109人、クリスマスでは2330万2290人のユーザーがビデオを受け取った。最初の2つの主要評価項目は休日の旅行と自宅から外出する割合であり、いずれもフェイスブックユーザーの携帯電話位置情報データを使って測定された。high intensity郡での平均移動距離は、low intensity郡と比較した場合、各々の休暇前の3日間で−0.993パーセントポイント減少した[95%信頼区間(CI):−1.616、−0.371;P = 0.002]。休日に自宅から外出した人の割合には、有意な影響がなかった(調整差分:0.030;95%CI:−0361、0.420;P = 0.881)。3つ目の主要評価項目は、休暇後5日から始まる2週間中に郵便番号レベルで記録されたCOVID-19感染であった。介入のあった郵便番号群では、感染は対照の郵便番号群と比較して3.5%減少した(調整された95%CI:−6.2%、−0.7%;P = 0.013)。米国の冬期休暇前に医療従事者によって録画されたソーシャルメディアメッセージは、休日の旅行とその後のCOVID-19感染の有意な減少につながった。