Review Article
COVID-19:COVID-19に対する免疫療法の指針
Nature Medicine 28, 1 doi: 10.1038/s41591-021-01643-9
免疫の調節不全は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の病態生理学的性質の重要な要素である。COVID-19患者での免疫ベースの治療法の効果については、ステロイドや抗サイトカイン療法の使用のようないくつかの顕著な成功例が挙げられ、多くの論文で報告されている。しかし、臨床での意思決定の際には、この疾患の表現型の複雑さ、患者の不均一性、さらに免疫療法研究から得られた証拠にばらつきがあることなどによって難問が生じる。本総説は、宿主標的療法の主要な臨床試験によって得られた証拠の概要を示すことで、臨床での意思決定を支援することを目的としている。まず患者の層別化について論じてから、臨床での免疫療法戦略の使用指針となるアルゴリズムを提案する。これは、治療方針決定を導く助けとなるだけでなく、他の重症感染で免疫療法を調べる今後の臨床試験を設計するのにも役立つと考えられる。