リスクに関する証拠の評価

疾病負荷研究では、リスクと結果を関係付ける際に、その証拠がどのくらい強いのかを定量的に評価する。疾患発症の生涯リスクは、さまざまな要因の組み合わせによって影響される。これらのリスクと結果の関係を理解することは、効果的な介入に役立つ可能性がある。だが、こうした関係についての証拠の基盤はそれほど堅牢ではなく、健康に関するガイドラインの中には定量的な証拠ではなく専門知識に基づいているものもある。一次研究では多様な研究デザインが使用されており、そこから得られた知見がメタ解析に組み込まれる。異なる研究デザインにはそれぞれ固有の長所と短所があるが、データ収集方法と分析の偏りにより、結果にばらつきが生じることがある。また、発表された研究のほとんどは主に先進国からのものであり、資源が不足している環境からの証拠は乏しい。今月号に掲載されている証明責任に関する研究は、証拠の解釈という重要な問題に使える新規な方法を示している。だが、より質の高い研究デザインと研究の世界的多様性の向上もまた、リスクと結果の関係の正確な評価を得るには必須であり、政策への情報をもたらし、ひいては世界の健康と福祉の改善に役立つはずである。