Article COVID-19:COVID-19に対するベータ株含有二価ブースターワクチンの安全性、免疫原性、抗体持続性 ─ 第2/3相試験 2022年10月6日 Nature Medicine 28, 11 doi: 10.1038/s41591-022-02031-7 予防接種戦略のアップデートは、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)の多数のバリアントに対処するために必要である。今回我々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の二価ワクチン候補であるmRNA-1273.211の安全性および免疫原性を評価するために現在進行中の非盲検第2/3相試験の中間結果を報告する。mRNA-1273.211は、SARS-CoV-2祖先株スパイクタンパク質をコードするmRNAとベータバリアントのスパイクタンパク質をコードするmRNAを等量含んでおり、mRNA-1273の初回接種(2回)の後、ほぼ8.7〜9.7カ月目に50 μg(n = 300)と100μg(n = 595)の1回目ブースター接種が行われた(NCT04927065)。主要目的はmRNA-1273.211の安全性と反応原性の評価と、mRNA-1273の100μgが投与された初回接種と比較して抗体応答が劣らないことの確認である。加えて、事前指定された免疫原性に関する目的は、以前に承認されたmRNA-1273 50 μgのブースターよりも優れた抗体応答を実証することである。mRNA-1273.211ブースター投与(50 μgと100 μg)は、接種後28日目でSARS-CoV-2祖先株とベータ株に対して、初回接種(2回目)のmRNA-1273接種後28日に誘導された応答(NCT04470427)よりも高い中和抗体応答を誘導した。50 μg mRNA-1273.211ブースター接種後28日目と180日目のSARS-CoV-2祖先株、ベータ株、オミクロンBA.1株およびデルタ株に対する抗体応答も、50 μg mRNA-1273ブースター接種後の応答(NCT04405076)より高く、事前指定した免疫原性に関する全ての目標が達成された。二価mRNA-1273.211ブースター(50 μg)の安全性と反応原性のプロファイルは、mRNA-1273のブースター接種時(50 μg)と同様であった。初回接種による免疫は中和抗体応答に上限を作らず、二価ワクチンのブースター接種は、COVID-19に対して防御性があると思われる抗体価でのロバストな応答を誘導した。これらの結果は、二価ブースターワクチンは多数のバリアントに対して、強力で持続性があり、また作用が広域にわたる抗体応答を誘導でき、新興バリアントに対抗する新たな手段となることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る