Article COVID-19:SARS-CoV-2再感染に関連する急性および急性期後後遺症 2022年11月10日 Nature Medicine 28, 11 doi: 10.1038/s41591-022-02051-3 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)による初回感染は、急性期や急性期後の死亡や多数の臓器系での後遺症のリスク上昇と関連付けられている。初回感染後に負ったリスクを再感染が上昇させるのかどうかは明らかではない。我々は、アメリカ合衆国退役軍人省のnational healthcare databaseを用いてSARS-CoV-2の1回感染者(n = 44万3588)、再感染者(2回以上の感染、n = 4万947)および非感染対照者(n = 533万4729)からなるコホートを作製した。そして、逆確率重み付けを行った生存モデルを使って、死亡、入院、偶発的な後遺症のリスクおよび6カ月後の負荷を推定した。再感染は、それがない場合と比較すると、死亡(ハザード比〔HR〕= 2.17、95%信頼区間〔CI〕 = 1.93–2.45)、入院(HR = 3.32、95%CI = 3.13–3.51)、それに疾患後遺症(肺、心血管、血液、糖尿病、胃腸、腎臓、精神的健康、筋骨格および神経を含む)のリスク上昇の一因となっていた。これらのリスクは、ワクチン接種状況にかかわりなく明らかだった。こうしたリスクは急性期に最も顕著であったが、急性期後の6カ月目でも持続していた。非感染の対照者と比較すると、反復感染の累積リスクと負荷は感染回数に従って増加した。コホートがほとんど白人男性だけからなることは、この研究に対する制限要因の1つである。今回の結果は、再感染が急性期および急性期後での死亡、入院と多臓器系の後遺症のリスクをさらに上昇させることを示している。SARS-CoV-2による死亡や疾患の全体的な負荷を軽減させるには、再感染に対する予防対策が必要であろう。 Full text PDF 目次へ戻る