Editorial

がん免疫療法:もっと良いバイオマーカーの探求

Nature Medicine 28, 12 doi: 10.1038/s41591-022-02154-x

免疫抑制性受容体PD-1とそのリガンドPD-L1、あるいは負の補助刺激受容体CTLA-4を阻害する免疫チェックポイント阻害剤(ICI)はがん治療に変革をもたらし、最近まで適切な治療選択肢がなかった患者にも治癒の可能性が出てきた。しかし、その恩恵を被ることができるのはまだ一部の患者に限られており、重篤な免疫関連有害事象が起こるリスクもかなり高い。とはいえ、ネオアジュバント療法やPD-1–PD-L1、CTLA-4以外の標的に対する阻害剤についての最近の有望な結果や、化学療法などの他の治療との併用が承認されたことなど、ICIの将来は明るい。ICIに対する応答性やICIの毒性に関するもっと有効性の高いバイオマーカーを開発し、より多くのがん患者にICI療法を適用するためには、データの標準化を促す取り組みの強化、既存の試験データセットの共有、そして多様な集団でのバイオマーカー候補の妥当性確認が極めて重要である。

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