Article

COVID-19:COVID-19での心血管系の長期的転帰

Nature Medicine 28, 3 doi: 10.1038/s41591-022-01689-3

急性の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の心血管系の合併症については記述が多いが、COVID-19の急性期後の心血管系の症状については、まだ包括的に調べられていない。我々は、米国退役軍人省の国民ヘルスケアデータベースを使って15万3760人のCOVID-19患者からなるコホート、および2セットの対照コホート、すなわち現在の対照群(563万7647人からなる)と既存対照群(585万9411人からなる)を構築し、事前に指定した一連の偶発的な心血管系疾患の転帰のリスクと1年間の負荷を推定した。COVID-19感染者は感染後最初の30日間を越えた後に、心血管疾患(脳血管疾患、不整脈、虚血性および非虚血性心疾患、心膜炎、心筋炎、心不全、血栓塞栓性疾患など複数のカテゴリーにまたがる)の偶発的発症リスクが上昇することが分かった。これらのリスクや負荷は、感染の急性期に入院していない患者でも明らかに認められ、急性期の治療状況(非入院、入院、集中治療搬送)によって段階的に増加した。我々の結果は、急性COVID-19の生存者では心血管疾患のリスクと1年間の負荷がかなり大きいことを証拠立てている。COVID-19の急性発症を切り抜けた患者の治療方針には、心血管系の健康と疾患への配慮を含めるべきである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度