Review Article

眼疾患:眼疾患を対象とした再生および修復医療

Nature Medicine 28, 6 doi: 10.1038/s41591-022-01862-8

失明の原因は世界全域にわたってさまざまである。高所得国での失明の原因のほとんどは、網膜の特定のクラスの細胞、つまり網膜色素上皮(RPE)、光受容器、網膜神経節細胞などの変性である。網膜再生医療のこの10年間での進歩により、これらの細胞タイプのそれぞれを前駆細胞や幹細胞からex vivoで作り出せるようになった。本稿では、細胞置換へのこのような技術の適用の進展と、変性疾患における視力回復というその目標について概説する。さらに、RPE移植のヒトでの臨床試験や、他の細胞タイプについての先進的な前臨床研究の全体像について論じ、網膜変性の内因性前駆細胞を用いるin situ修復に向けた進歩についても概観する。また、光起電力デバイス型の先進的装置、オプシンを使う遺伝子治療、小分子を基盤とする光スイッチなどの視覚プロテーゼによる視力回復に向けた進歩についても、大まかに述べる。これらの領域の各々での進歩は、ヒトでの臨床試験段階またはそれに近い段階に入っており、視力回復という大胆な目標を視野に入れている。

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