COVID-19:COVID-19による入院や死亡に対する2回目のBNT162b2ブースターワクチンの60歳以上の成人での有効性
Nature Medicine 28, 7 doi: 10.1038/s41591-022-01832-0
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)のB.1.1.529(オミクロン)変異株の急速な出現は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的な復活につながった。イスラエル当局は、4か月以上前に1回目のブースター接種を受けた60歳以上の人での4回目のCOVID-19ワクチン接種(2回目のブースター)を承認した。そのため、COVID-19による入院や死亡の減少への2回目ブースター接種の有効性を保証する証拠が求められている。今回の後ろ向きコホート研究は、クラリットヘルスサービスに加入しており、年齢が60〜100歳で、2022年1月3日に2回目ブースター接種資格を有していた全員を対象としている。2回目のブースター接種を受けた参加者でのCOVID-19による入院や死亡について、ブースター接種を1回受けた参加者と比較した。2回目ブースター接種とCOVID-19による入院・死亡との関連性を評価するため、共変量が時間に依存するCox比例ハザード回帰モデルが使用され、同時に人口学的因子と合併症に関して調整が行われた。全部で56万3465人の参加者が適合基準を満たしていた。これらのうち、32万8597人(58%)は40日の研究期間の間に2回目のブースター接種を受けた。COVID-19による入院者は、2回目のブースターを受けたうちの270名と1回のブースター接種を受けた参加者である550名だった〔調整ハザード比、0.36、95%信頼区間(CI):0.31–0.43〕。COVID-19による死亡は、2回目のブースター接種を受けた参加者の92名と1回のブースター接種を受けた参加者の232名であった(調整ハザード比、0.22、95% CI:0.17–0.28)。この研究によって、イスラエルの60歳以上の成人では2回目のブースター接種によってCOVID-19による入院や死亡が大幅に減少することが明らかとなった。