Editorial

積極的な対策が次のパンデミックを防ぐ

Nature Medicine 28, 7 doi: 10.1038/s41591-022-01918-9

コロナウイルスは21世紀に重症急性呼吸器症候群(SARS)と中東呼吸器症候群(MERS)を引き起こし、パンデミック(世界的大流行)につながる可能性があることはよく知られていた。SARS後にもっと多くの研究がなされていたら今回のパンデミックは防げたのではないか。今、同じ間違いがサル痘でも起ころうとしている。毎年多数の患者や死者が出ていたにもかかわらず、サル痘に関する研究は不足しており、世界は準備不足のままだ。政府や資金提供者が、新興感染症に関する研究開発を強化しない限り、我々はまた、パンデミックに向かって無策のまま歩き続けることになる。世界保健機関(WHO)は、エボラ出血熱などの新興感染症に関する研究開発計画を策定し、診断薬、治療薬、ワクチンの研究の優先順位を示している。パンデミックが起こる前に、新興感染症に関する研究能力、特に低・中所得国における疾病監視能力を向上させなければいけない。

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