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がん治療:プラルセチニブについて第1/2相ARROW試験で示されたRET融合陽性固形腫瘍患者でのがん種横断的有効性
Nature Medicine 28, 8 doi: 10.1038/s41591-022-01931-y
発がん性のRET融合はさまざまながんで生じている。プラルセチニブはRET受容体チロシンキナーゼの強力な選択的阻害剤である。ARROW試験(NCT03037385、進行中)は、RETが変化した進行固形腫瘍の患者でのプラルセチニブの有効性と安全性を評価するために設計された。登録された29人は、12の多様なタイプのRET融合陽性固形腫瘍(非小細胞肺がんと甲状腺がんを除く)を有していて、以前に標準治療を受けた患者、あるいは標準治療の候補者ではなかった患者であった。有効性を評価可能な23人の患者で最もよく見られたRETの融合パートナー遺伝子は、CCDC6(26%)、KIF5B(26%)とNCOA4(13%)である。これらの患者で、主要評価項目である全奏効率は57%(95%信頼区間、35–77)であった。奏効は、腫瘍のタイプあるいはRETの融合パートナーとは関係なく観察された。奏効期間の中央値は12か月、無増悪生存期間は7か月、全生存期間は14 か月であった。最もよく見られたグレード3以上の治療関連有害事象は、好中球減少症(31%)と貧血(14%)であった。これらのデータは、RETが組織の種類とは関係なくRET阻害に感受性を示す標的であることを実証しており、プラルセチニブはさまざまなRET融合陽性固形腫瘍患者で、迅速でロバストかつ持続的な抗腫瘍活性を示す、耐容性の良好な治療選択肢候補であることを示している。