Review Article
人工知能:多モード生物医学用AI
Nature Medicine 28, 9 doi: 10.1038/s41591-022-01981-2
大規模なバイオバンク、電子健康記録、医療用画像、ウエアラブルバイオセンサーや環境バイオセンサーなどからの生物医学データの利用可能性が拡大しつつあること、それに加えてゲノムやマイクロバイオームの塩基配列解読のコストが下がったことで、ヒトの健康と疾患の複雑性を捉える多モードの人工知能ソリューション開発の準備は整った。本概説では、可能になった重要な応用例とともに、技術上また解析上の難問について概観する。また、個別化医療、デジタル臨床試験、リモートで行うモニタリングとケア、パンデミックの監視、デジタルツイン技術やヘルスケア用バーチャルアシスタントなどの分野での利用機会を探る。さらに、多モード人工知能が健康問題に関して持つ可能性を十全に実現するために乗り越えなければならないデータやモデル化、プライバシーなどの問題についても検討する。