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エムポックス:ポルトガルにおける2022年のエムポックス集団発生に対するウイルス遺伝子クラスター化と伝播動態

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02542-x

エピデミック時の病原体ゲノムの塩基配列解読は、感染が疑われるクラスターを特定して把握したり、それらの関係性を調べたりする我々の能力を高めることができる。今回我々は、2022年のエムポックス集団発生について、初期のウイルス拡散、多様化、伝播動態をより良く理解するために、ゲノムデータと疫学データを組み合わせて解析した。ポルトガルでの確定症例の52%を塩基配列解読することで、症例数に最も影響を与えたエムポックスウイルスの亜系統を特定し、それらを世界の状況に当てはめた。その結果、おそらく数種の国際的な亜系統がポルトガルで初期に出現し、拡散した証拠が見つかった。感染報告率については62%と推定し、またポルトガルでは男性間性交渉者集団の1.3%が感染したと推定した。エムポックスウイルスの伝播では、性的ネットワークや、サウナ通いなどでスーパースプレッダーが集まることが重要な役割を担っていたと推測された。このように、我々の結果は、ゲノム疫学はエムポックスエピデミックのリアルタイムモニタリングやコントロールのツールとなることを明らかにし、また、感受性の高い集団に対する今後のワクチン政策の指針となり得る。

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