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非小細胞肺がん:オシメルチニブ療法後に再発したEGFR変異型進行非小細胞肺がんにおけるアミバンタマブとラゼルチニブの併用 ― 第1相試験

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02554-7

上皮増殖因子受容体(EGFR)変異型の非小細胞肺がん(NSCLC)の患者は、現在の標準治療である第3世代EGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に対する抵抗性を生じることが多い。しかし、オシメルチニブ療法後の再発に対しては、承認されている標的療法はない。用量漸増および用量拡大を検討する今回の非盲検第1相試験では、第3世代TKI単剤療法で病勢が進行したが、化学療法を受けていないEGFR変異型NSCLC患者(CHRYSALISコホートE)において、EGFR-MET二重特異性抗体であるアミバンタマブと第3世代EGFR TKIであるラゼルチニブの併用によって抗腫瘍活性が向上する可能性を評価した。用量漸増パートでは、第2相試験での推奨併用用量を決定した。用量拡大パートの主要評価項目は安全性と全奏効率であり、主要な副次評価項目には無増悪生存期間と全生存期間を含めた。アミバンタマブとラゼルチニブ併用の安全性プロファイルは、各薬剤の単剤投与で得られたこれまでの結果とおおむね一致しており、4%でグレード3以上の有害事象が見られた。また、新しい安全性シグナルは見られなかった。バイオマーカーによる選択を行わずに登録された45人の患者からなる探索的コホートでは、治験責任医師の評価による主要評価項目の全奏効率は36%(95%信頼区間、22~51)であった。奏効期間の中央値は9.6カ月で、無増悪生存期間の中央値は4.9カ月であった。次世代塩基配列解読解析と免疫組織化学的解析により、EGFRおよび/またはMETの高発現が奏効の予測バイオマーカーである可能性が明らかになったが、これには前向きの評価による検証が必要である。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT02609776。

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