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グリオーマ:びまん性正中グリオーマの成人におけるH3K27Mを標的にしたワクチン

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02555-6

びまん性グリオーマのアグレッシブなサブタイプは、ヒストンH3の27番目のリシンのメチオニンへの置換(H3K27M)によって定義される。これまでの研究によって、H3K27M特異的な長鎖ペプチドワクチン(H3K27M-vac)は、主要組織適合遺伝子複合体をヒト化したマウスにおいて、H3K27M陽性腫瘍を制御する変異特異的な免疫応答を誘導することが示されてきた。本論文において我々は、人道的見地から実施される治療に基づいた、進行性H3K27M陽性びまん性正中グリオーマの成人患者8人を対象とするH3K27M-vacによるヒト初回投与(first-in-human)治療について報告する。5人の患者が、医師の判断に基づいて、抗PD-1療法と併用してH3K27M-vacの投与を受けた。H3K27M-vacの繰り返し接種は安全であり、さまざまなヒト白血球抗原型の8人の患者のうち5人においてCD4陽性T細胞優位な変異特異的免疫応答を誘導した。ワクチン接種後の無増悪生存期間の中央値は6.2カ月であり、全生存期間の中央値は12.8カ月であった。H3K27M-vac接種後、強力な変異特異的T細胞応答を示した1人の患者は偽増悪を呈し、その後の完全奏効が31カ月以上持続した。我々の結果によって、進行性H3K27M陽性びまん性正中グリオーマ患者でのH3K27M-vacの安全性および免疫原性が示された。

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