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PTSD:中等度から重度のPTSDに対するMDMA支援療法 ― 無作為化プラセボ対照第3相試験

Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02565-4

今回、多施設無作為化二重盲検による検証的第3相臨床試験を行い、中等度から重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)患者を対象として、3,4-メチレンジオキシメタンフェタミン補助療法(MDMA-AT)および同一の治療のプラセボ投与の比較により、MDMA-ATの有効性と安全性を評価した。CAPS-5(DMS-5〔米国精神医学会の精神疾患の診断・統計マニュアル第5版〕用のPTSD臨床診断面接尺度)の重症度合計スコアの変化量(主要評価項目)と、シーハン障害尺度(SDS)の機能的障害スコアの変化量(主要副次評価項目)の評価は、互いに無関係な評価者を盲検化して行った。参加者は、MDMA-AT(n = 53)またはプラセボ+治療(n = 51)に無作為に割り付けられた。全体として、参加者の26.9%(28/104人)が中等度のPTSDで、73.1%(76/104人)が重度のPTSDであった。参加者は民族的・人種的に多様であり、104人中28人(26.9%)がヒスパニック/ラテン系、104人中35人(33.7%)が白人以外であった。CAPS-5スコアの最小二乗(LS)平均変化量(95%信頼区間〔CI〕)は、MDMA-ATの場合に−23.7(−26.94、−20.44)であり、それに対してプラセボ+治療の場合は−14.8(−18.28、−11.28)であった(P < 0.001、d = 0.7)。SDSスコアのLS平均変化量(95%CI)は、MDMA-ATで−3.3(−4.03、−2.60)、プラセボ+治療で−2.1(−2.89、−1.33)であった(P = 0.03、d = 0.4)。7人の参加者に、重度の治験期間中有害事象(TEAE)が生じた(MDMA-ATではn = 5〔9.4%〕、プラセボ+治療ではn = 2〔3.9%〕)。死亡や重篤なTEAEは発生しなかった。上記のデータは、多様な集団においてMDMA-ATが、中等度から重度のPTSDの症状と機能障害を軽減し、おおむね良好な忍容性を示すことを示唆している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04077437。

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