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悪性リンパ腫:自家幹細胞移植非適応の大細胞型B細胞リンパ腫における二次治療としてのアキシカブタゲン・シロルユーセル ─ 第2相試験
Nature Medicine 29, 10 doi: 10.1038/s41591-023-02572-5
アキシカブタゲン・シロルユーセル(axi-cel)は、自家幹細胞移植(ASCT)に適応とされた高リスクの再発性/難治性(R/R)大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者における二次治療として、標準治療よりも優れた有効性が実証されている。しかし、臨床診療では、R/R LBCL患者のおよそ半分がASCT非適応候補だとされる。axi-celの有効性は、移植非適応患者では確かめられていない。非盲検第2相試験であるALYCANTEでは、ASCT非適応とされたR/R LBCL患者62人において、二次治療としてのaxi-celを評価した。主要評価項目は、axi-cel注入から3カ月の時点での治験責任医師の評価による完全代謝奏効であった。主な副次評価項目は、無増悪生存期間、全生存期間、安全性であった。本試験は、3カ月の時点での完全代謝奏効が71.0%(95%信頼区間、58.1~81.8%)で、主要評価項目を満たした。追跡期間の中央値は12カ月(範囲、2.1~17.9)であり、無増悪生存期間の中央値は11.8カ月(95%信頼区間、8.4~未到達)、全生存期間は達成されなかった。予期しない毒性はなかった。グレード3~4のサイトカイン放出症候群と神経学的事象が、それぞれ患者の8.1%と14.5%で発生した。これらの結果は、ASCT非適応のR/R LBCL患者における二次治療としてのaxi-celを支持している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04531046。