Editorial
医学研究における公平なパートナーシップ達成を目指して
Nature Medicine 29, 11 doi: 10.1038/s41591-023-02680-2
医学研究での国際協力は、多様な専門知識とリソースを結集して世界的な健康問題に取り組むために重要である。しかし、高所得国の研究者が、現地の関係者の有意義な参加を制限して研究を行う「ヘリコプター研究」や、倫理基準の異なる環境で非倫理的な研究を行う「倫理ダンピング」は、いまだに蔓延している。昨年、Nature Medicineは、研究における公平なパートナーシップを促進するために「倫理的かつ包括的」という枠組みを採用した。一年後の今、これが本誌の出版内容にどのような影響を与えたかを我々は再検討している。我々の目的は、こうした枠組みで議論を促し、研究者が今後の全ての研究活動で公平なパートナーシップを模索するきっかけとすることである。我々は、研究者が研究の初期段階からその全過程を通じて現場のコミュニティーと良好な関係を築くことを期待している。研究現場の利害関係者には、現場での研究を推進する上で必要な権利が与えられなければならず、正式に共著者として認められるべきである。現場の研究者コミュニティーに長期的かつポジティブな影響をもたらすには、研究における公平なパートナーシップが不可欠である。