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唾液腺がん:進行唾液腺がんに対するニボルマブとイピリムマブの併用 ― 第2相試験

Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02518-x

唾液腺がん(SGC)は、まれな、侵襲性の強いがんで、転移した場合には有効な治療法がない。今回我々は、64人の転移性SGC患者を対象に、ニボルマブ(nivo、抗PD-1)とイピリムマブ(ipi、抗CTLA-4)の併用療法を評価する第2相試験を行った。この臨床試験に登録された患者は、組織学的特性によって、腺様嚢胞がん(ACC、コホート1)とACC以外のSGC(コホート2)の2つのコホートに分けられた(各コホートは32人)。主要有効性評価項目(4例以上の客観的奏効)については、コホート2では満たされたが(5/32、16%)、コホート1では満たされなかった(2/32、6%)。副次評価項目は、治療の安全性/忍容性および無憎悪生存期間(PFS)とした。治療に関連して生じたグレード3以上の有害事象は、両コホート64人中24人(38%)で観察され、PFS中央値はコホート1で4.4カ月(95%信頼区間〔CI〕:2.4、8.3)、コホート2で2.2カ月(95%CI:1.8、5.3)であった。さらに、治療前および治療中の腫瘍細胞についての全エキソーム、RNA、T細胞受容体(TCR)の塩基配列解読データと、末梢血についての経時的な免疫細胞フローサイトメトリーとTCR塩基配列解読の結果を示す。治療に反応する腫瘍では例外なく、治療前に存在するT細胞のクローン性増殖が認められ、治療中に変異数が減少していた。治療に反応するACCは、遺伝子融合によるネオエピトープなど、ex vivoでT細胞応答を誘導するネオアンチゲンを持っていた。今回の臨床試験は、nivoとipiの併用がまれな例外的奏効を示すとはいえ、ACCに対する有効性は限定的であり、一方、ACC以外のSGC、特に唾液腺導管がんに対しては有望な治療になり得ることを示している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03172624。

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