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脳深部刺激療法:外傷性脳損傷における視床への脳深部刺激療法 ― 第1相無作為化フィージビリティ試験

Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02638-4

中等度から重度の外傷性脳損傷(msTBI)後には、実行機能と情報処理速度の障害が起こり、生活の質や社会復帰が制限されることは、多くの証拠が示すところである。前頭線条体ネットワークの機能不全を反映しているこれらの障害は、視床の外側中心(CL)核が重要な部位となる。本フィージビリティ試験の主な目的は、CLおよび関連する内側背側被蓋(CL/DTTm)路内の脳深部刺激療法の安全性と有効性の検討である。msTBI受傷後3〜18年の6人の参加者について、電極留置手術を行い、CL/DTTm路の活性化を予測した。電極の位置は、画像化と被験者固有の生物物理学的モデル化に基づいて判断した。主要な有効性の評価は、TMT-B検査(part B of the trail-making test)の処理速度を指標とする実行制御機能の改善であった。参加者6人全員に電極が安全に留置され、5人が本試験を完了したが、1人はプロトコル不遵守により試験を中止した。TMT-B検査での処理速度は、ベースライン時から15~52%向上し、5人全てにおいて基準とした10%改善を上回った。CL/DTTm脳深部刺激療法は安全に適用することが可能であり、慢性回復期にあるmsTBI患者の実行制御機能を改善する可能性がある。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT02881151。

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