Year in Review
大規模言語モデルが医療を変える6つの方法
Nature Medicine 29, 12 doi: 10.1038/s41591-023-02700-1
大規模言語モデル(LLM)チャットボットであるChatGPTが2022年後半に公開された。Nature Medicineは、第一線の研究者6人に、LLMがどのようにヘルスケアを変える可能性があるかを尋ねた。まず挙げられたのは、慢性疾患患者に薬の服用を促すといった看護支援を行うバーチャルナースや、臨床医のカルテ書きなどの作業を補助して彼らをキーボードから解放する臨床LLM秘書の登場への期待である。またLLMは、健康の社会的決定要因に関する有益な情報の収集・提供に役立ったり、あるいは、LLMが病院の電子カルテから有害事象の検出を行って市販後の医薬品安全性のチェックに貢献したりすることも期待されている。LLMが画像データから転移がんを予測するなどして診断の支援を行うことは既に実施されているが、さらに将来には、会話型AIが診療システムにシームレスに統合され、臨床医はAIと会話しながらこうした支援や情報提供を受けることができるようになる可能性があるという。