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肥大型心筋症:ヒト心筋細胞およびヒト化マウスでの肥大型心筋症の塩基編集による修正

Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02176-5

最もよく見られる遺伝性心疾患である肥大型心筋症(HCM)は、心筋サルコメア遺伝子のバリアントが原因であり、心筋の異常な肥厚が引き起こされる。HCMの合併症には、心不全、不整脈、心臓突然死などがある。βミオシン(MYH7)のドミナントネガティブ型の病原性バリアント(PV)であるc.1208G>A(p.R403Q)は一般的なPVで、よく研究されており、心臓の収縮性の亢進とHCMの発症につながる。我々は、このヒトPVを効率的に修正でき、選択的な部位でのバイスタンダー編集やオフターゲット編集を最小限にしたアデニン塩基エディターと単一ガイドRNAの系を明らかにした。塩基編集の構成要素を送達することで、HCM患者由来の誘導多能性幹細胞から作製した心筋細胞およびHCMのヒト化マウスモデルでHCMの病理学的症状が救済されることが分かった。我々の知見は、遺伝性心疾患の治療での塩基編集使用の可能性を実証しており、また、心疾患の原因となる単一遺伝子のバリアントを修正するアデニン塩基エディターを使用する治療法のさらなる開発を促すものだ。

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