多発性骨髄腫:再発および難治性多発性骨髄腫で同種BCMAを標的とするCAR T細胞 ─ 第1相UNIVERSAL試験中間結果
Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02182-7
ALLO-715は、移植片対宿主病を抑え、CAR Tの拒絶を最小限にするために作出されたファーストインクラスの抗BCMA同種CAR T細胞療法である。我々は、現在進行中のファーストインヒューマン第1相UNIVERSAL試験のパートAとして、再発および難治性多発性骨髄腫の患者43人で、抗CD52抗体(ALLO-647)を含むレジメンでのリンパ球除去後のALLO-715の用量増大について評価した。主要目的は、ALLO-715の安全性および忍容性と、ALLO-647を含むリンパ球除去レジメンの安全性プロファイルの決定であった。主要副次評価項目は奏効率と奏効期間であった。グレード3以上の有害事象が38人(88.0%)の患者で報告された。サイトカイン放出症候群は、24人(55.8%)の患者で観察され、うち1件(2.3%)はグレード3以上の事象を伴っており、また6人(14%)の患者で神経毒性が観察されたが、グレード3以上の事象は無かった。感染が23人(53.5%)の患者で起こり、グレード3以上の事象は10件(23.3%)であった。全体として、24人(55.8%)の患者が奏効を示した。320 × 106個のCAR+ T細胞とフルダラビン、シクロホスファミド、ALLO-647をベースとするリンパ球除去レジメンで治療を受けた患者(n = 24)で、17人(70.8%)が奏効を示し、その内の11人(45.8%)は最良部分奏効(VGPR)もしくはそれ以上の奏効を示し、6人(25%)は完全奏功あるいは厳密な意味での(stringent)完全奏功であった。奏功期間の中央値は8.3カ月であった。これらの初期の結果は、骨髄腫に対する同種CAR T細胞療法の実行可能性と安全性を裏付けるものである。