Review Article
精神疾患:精神疾患を治療するための先端的新技術
Nature Medicine 29, 2 doi: 10.1038/s41591-022-02197-0
精神疾患の罹患者は非常に増えていて、深刻な病気となる場合が多く、世界中で数百万に及ぶ人々の生活にマイナスの影響を及ぼしている。この疾患では病因や診断が多様であることが薬剤開発に対する難問となっていたが、精神疾患を脳回路に基づいて解明していくという、近年普及してきた考え方は、治療法の開発と臨床応用の両方で、現在行われている試行錯誤に依存する開発にとって替わりつつあり、重要なものとなってきている。本稿では、実用化が期待される新たな治療方法について、個別化精神医療のための脳回路に基づく介入法の革新的な可能性に特に重点を置いて再検討する。そして、回路モデルの限界、高精度治療薬を市場に出す際の難問、またこれらの障害を克服するために必要となる重要な進歩についても示していく。