Review Article

心血管代謝疾患:心血管代謝の健康と食餌および腸マイクロバイオーム ─ メタオミクスの視点から

Nature Medicine 29, 3 doi: 10.1038/s41591-023-02260-4

心血管代謝疾患は、世界中で不健康な状態や死亡の主原因となっている。心血管代謝疾患は、マイクロバイオームのタクソン構成や機能的組成と密接につながっている。そして食餌は、報告されているこのような関連の一部を仲介していると考えられる。マイクロバイオームと食餌はともに修正可能であり、このことはこれまでとは異なる治療戦略への道を開くだろう。マイクロバイオームの試料に対して使用されるハイスループットのオミクス技術(メタオミクス)には、食餌、マイクロバイオーム、メタボローム、それに心血管代謝の健康の間の複雑な結び付きをトップダウンの手法で明らかにする未曾有の可能性がある。しかし、相補うメタオミクス技術を効果的に統合することは未解決の難題であり、大規模コホートへのその適用はまだ限られている。本稿では、メタオミクス技術を検討して、こうした状況下でのその可能性について論じ、また最近の大々的な努力とそれによって得られた新しい知見を取り上げていく。そして、メタオミクス研究の次の10年間に目を向け、心血管代謝の健全性の改善を目指すさまざまなトランスレーショナル研究や臨床研究について論じる。

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