Editorial

薬としての食品:証拠を実際の介入につなげる

Nature Medicine 29, 4 doi: 10.1038/s41591-023-02330-7

医食同源という言葉があるように、食品は栄養源になるだけでなく、疾病の予防と治療にも役立つ。米国などでは、こうした考え方を実現しようという機運が高まっており、「Food is Medicine(食は医)」運動も活発化している。この勢いを支えるには、病気の予防や治療に対する特定の食生活の有効性を裏付ける強力な根拠が必要だろう。今月号には、心代謝疾患に対する食餌の影響について新しい見解を示す論文や、個人の遺伝的な疾病素因に合わせた栄養的介入の影響などに関する論文が複数掲載されている。しかし食餌による介入によって集団の健康状態を改善するためには、有効性試験に加えて、効果的で拡張可能な実施戦略が必要だ。食生活の研究は自己申告に基づくことが多いため正確な測定が難しいが、無作為化臨床試験に基づく質の高い証拠も提供されている。また食餌療法を医療に組み込むには、包括的な保険適用も必要である。食が心身の健康に大きな影響を与えることは、議論の余地がない。処方箋医薬品が広く受け入れられているように、食の処方箋もまた、テーブルの上に置かれるべきだ。

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