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神経芽腫:ALK駆動型の難治性/再発性神経芽腫におけるロルラチニブ単剤療法と化学療法との併用療法 — 第1相試験の結果

Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02297-5

神経芽腫に見られるALKの異常は、クリゾチニブに対する治療には抵抗性を示すが、前臨床研究では第三世代のALK阻害剤ロルラチニブに対して感受性を示す。我々は、ALK駆動型再発性/難治性神経芽腫の小児および成人において、化学療法を併用した場合としない場合でロルラチニブを評価するfirst-in-child(小児初回投与)試験を行った。この試験は進行中であり、本論文では、3つのコホート(小児〔生後12カ月〜18歳未満〕でのロルラチニブ単剤療法、成人〔18歳以上〕でのロルラチニブ単剤療法、小児〔18歳未満〕でのロルラチニブとトポテカン/シクロホスファミドの併用療法)が、事前指定した主要評価項目を満たしたことを報告する。主要評価項目は、安全性、薬物動態、第2相試験での推奨用量(RP2D)である。副次評価項目は、奏効率および123I-メタヨードベンジルグアニジン(MIBG)反応性である。ロルラチニブは、1回当たりの投与量として、小児では45〜115 mg/m2、成人では100〜150 mgで評価した。一般的な有害事象(AE)は、高トリグリセリド血症(90%)、高コレステロール血症(79%)、体重増加(87%)である。神経行動学的AEは、主に成人で見られ、休薬または減量により解消された。小児でのロルラチニブのRP2Dは、化学療法の併用にかかわらず、115 mg/m2だった。成人での単剤療法としてのRP2Dは150 mgである。単剤療法の奏効率(完全奏効/部分奏効/やや有効〔MR〕)は、18歳未満では30%、18歳以上では67%であり、化学療法との併用療法の奏効率は18歳未満では63%で、レスポンダー27人中13人(48%)でMIBGでの完全奏効が達成された。以上のことから、ロルラチニブは、新たに診断された高リスクのALK駆動型神経芽腫患者を対象とした実施中の第3相臨床試験への速やかな移行が支持される。ClinicalTrials.gov登録:NCT03107988。

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