がんスクリーニング:CanScreen5は乳がん、子宮頸がん、大腸がんのスクリーニングプログラムのためのグローバルなリポジトリである
Nature Medicine 29, 5 doi: 10.1038/s41591-023-02315-6
CanScreen5(Cancer Screening in Five Continents:5大陸のがんスクリーニング)プロジェクトは、乳がん、子宮頸がん、大腸がんのスクリーニングプログラムの現状と成績に関して、統一された基準と指標を用いて報告することを目的とした、グローバルながんスクリーニングデータリポジトリである。主に各国の保健省から収集されたデータが、品質検査を経て、最終的にウェブベースのポータルを介して一般に公開された。2022年9月までに、84の参加国が乳がん(n = 57)、子宮頸がん(n = 75)、大腸がん(n = 51)のスクリーニングプログラムのデータを当該リポジトリに報告した。ただし、プログラムの構成と成績は、かなり不均一なものであった。がんスクリーニングプログラムで報告された各スクリーニングのカバー率は、乳がんが1.7%(バングラデシュ)から85.5%(イングランド、英国)、子宮頸がんが2.1%(コートジボワール)から86.3%(スウェーデン)、大腸がんが0.6%(ハンガリー)から64.5%(オランダ)にわたっている。大きなばらつきは、スクリーニングプログラムの追加の評価に対する応諾率や、前がんとがんの検出率の報告に関しても見られた。懸案事項は、スクリーニングプログラム全体にわたってプログラムの成績の指標を推定するためのデータが不足していることであり、この解決のためには、ロバストな情報システムによってサポートされる品質保証プロトコルをプログラムに組み込むことが必要なことは明白である。プログラムの構成には、リソースが限られている環境での改善を目指すことが必要で、この場合、スクリーニングは、リソースを階層化して、各国固有の状況に合わせて調整されるべきと考えられる。