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異種移植:最近死亡した2人をレシピエントにして行ったブタからヒトへの心臓異種移植

Nature Medicine 29, 8 doi: 10.1038/s41591-023-02471-9

遺伝子組換えを行った異種移植片は、移植に利用可能なヒトの臓器の数と潜在的なレシピエントの数の不一致に対する最も有望な解決策の1つである。今日まで、ブタの心臓がヒトのレシピエントに移植されたのは1例のみである。本報告で我々は、遺伝子編集を10遺伝子で行ったブタを使用して、ブタの心臓を2例の脳死ヒトレシピエントに移植し、66時間にわたって異種移植片の機能、血行動態、および全身反応をモニタリングした。どちらの異種移植片も移植直後に優れた心機能を示すことが示され、本研究期間中機能し続けたが、ブタドナーとヒトレシピエントの心臓サイズの不一致により、1例では移植後に心機能の低下が見られた。我々は、両方の心臓に導入遺伝子の発現を確認し、また、組織学、フローサイトメトリー、および細胞傷害性交差適合試験を用いて評価したところ、細胞性または抗体媒介性の拒絶の証拠は全く認められなかった。さらに、ブタドナーからヒトレシピエントへの人獣共通感染の証拠も見られなかった。この技術をヒトでの臨床試験に進めるには相当な追加研究が必要であるものの、これらの結果は、ブタからヒトへの心臓異種移植が超急性拒絶反応や人獣共通感染症を起こさずに首尾よく実施できることを示唆している。

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