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多発性骨髄腫:再発性/難治性多発性骨髄腫に対するイデカブタゲン ビクルユーセル ─ 第1相試験の18カ月事後フォローアップ

Nature Medicine 29, 9 doi: 10.1038/s41591-023-02496-0

イデカブタゲン ビクルユーセル(ide-cel)は、B細胞成熟抗原(BCMA)を標的とするキメラ抗原受容体T細胞療法である。今回我々は、再発性/難治性多発性骨髄腫における単群第1相多施設試験(CRB-401)の事後解析(n = 62、フォローアップ期間中央値、18.1カ月)を行った。主要評価項目は安全性転帰であり、副次評価項目は全奏効率(ORR)、完全奏効率(CR)、最良部分奏効(VGPR)であった。この試験は主要評価項目を達成し、グレード3やグレード4のサイトカイン放出症候群(6.5%)や神経毒性(1.6%)が低い割合で見られた。ORRは75.8%であり、64.5%はVGPR以上を達成し、38.7%はCRまたは厳格なCR(sCR)を達成した。探索的評価項目の中で、奏効期間、無増悪期間(PFS)、全生存期間の中央値は、それぞれ10.3カ月、8.8カ月、34.2カ月であり、血中や骨髄中でのide-celの増殖は、臨床効果や可溶性BCMA注入後の減少と相関していた。PFSが18カ月以上の患者では、持続的奏効の低い患者と比較してアフェレーシスサンプル中のナイーブT細胞がより多く、疲弊T細胞が少なく、製剤中の機能的なT細胞表現型が改善されていた。これらの結果により、ide-celの安全性、忍容性、有効性が確認され、持続的奏効と相関するT細胞の質が明らかになった。Clinicaltrials.gov登録番号:NCT02658929。

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