COVID-19:SARS-CoV-2起源株に対する一価の新型コロナウイルス感染症mRNAワクチンとオミクロン株BA.4/BA.5系統にも対応した二価のmRNAワクチン ─ 第2/3相試験中間結果
Nature Medicine 29, 9 doi: 10.1038/s41591-023-02517-y
現在進行中の非盲検第2/3相試験では、ブースター接種として、オミクロン株BA.4/BA.5系統に対応した二価ワクチンmRNA-1273.222の安全性と免疫原性を、起源株の武漢株(Wuhan-Hu-1)に対するmRNA-1273と比較した。mRNA-1273ワクチンの初回連続接種およびブースター接種を既に受けた成人は順次、2つのグループに非無作為的に登録され、mRNA-1273(n = 376)あるいは二価のmRNA-1273.222(n = 511)の2回目の単回ブースター接種を受けた。主要評価項目はブースター接種後28日間における、安全性およびオミクロン株BA.4/BA.5系統やD614G変異を有する重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)従来株(従来型SARS-CoV-2〔D614G〕)に対する中和抗体(nAb)応答の非劣性あるいは優越性である。優越性と非劣性は、mRNA-1273.222対mRNA-1273の幾何平均比の事前指定した成功基準(95%CIの下限はそれぞれ> 1と< 0.677)に基づいた。過去のSARS-CoV-2感染が検出されていない参加者のブースター接種後29日目において、オミクロン株BA.4/BA.5系統に対応した二価mRNA-1273.222の接種は、mRNA-1273と比較して、BA.4/BA.5系統に対して優れたnAb応答を誘導し、また従来型SARS-CoV-2(D614G)に対して非劣性応答を誘導した。29日目の抗体応答は、オミクロン株BA.4/BA.5系統に対してはmRNA-1273よりもmRNA-1273.222が高く、従来型SARS-CoV-2(D614G)に対しては同等であり、どちらも非劣性基準を満たした。mRNA-1273.222の安全性プロファイルは、mRNA-1273に関してこれまで報告されていたものと同等であり、新たな安全性懸念は見られなかった。多様なウイルス変異株が新たに出現するため、中和活性や実社会でのワクチン有効性の継続的なモニタリングが必要である。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT04927065。