結核:リファンピシン感受性結核に対するファースト・イン・クラスのロイシル-tRNAシンターゼ阻害剤ガンフェボロール ─ 第2a相非盲検無作為化試験
Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-024-02829-7
結核に対しては、利用可能な薬剤への耐性や長期にわたる治療期間、有害反応に対処するための新たな治療薬が必要である。GSK3036656(ganfeborole:ガンフェボロール)は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)のロイシル-tRNAシンターゼを阻害するファースト・イン・クラスのベンズオキサボロールである。今回我々は、この第2a相単一施設非盲検無作為化試験で、未治療のリファンピシン感受性肺結核の参加者において、ガンフェボロールの早期の殺菌活性(主要評価項目)と、安全性および薬物動態(副次評価項目)を評価した。全体として、75人の男性がガンフェボロール(1/5/15/30 mg)あるいは標準治療(Rifafour e-275あるいはそのジェネリック薬)の1日1回14日間の投与を受けた。ガンフェボロールを1日1回5 mg、15 mg、30 mg投与された参加者においては、喀痰でのコロニー形成単位の数値がベースライン時から毎日減少することが観察されたが、1 mg投与された参加者においては減少が観察されなかった。有害事象の発生率は群間で同等であり、有害事象はいずれもグレード1あるいは2であった。一部の参加者においては、18F-フルオロデオキシグルコースを用いたポジトロン放出断層撮影法/コンピューター断層撮影法(18F-FDG-PET/CT)の所見についての事後の探索的コンピューター解析によって、ガンフェボロール30 mgの投与を受けた参加者では14日目において複数の病変タイプで治療に対する測定可能な応答が認められた。ガンフェボロール30 mgの投与を受けた参加者の14日目の全血において治療に対する転写応答を解析すると、好中球優勢の転写モジュールとの強い関連が示された。今回示された殺菌活性と許容可能な安全性プロファイルは、ガンフェボロールが肺結核の併用療法のための有望な候補となることを示唆している。ClinicalTrials.gov登録番号:NCT03557281。